性感染症の症状とくすり

福岡に事例がある腹痛を伴う感染症

2013年7月に福岡市の保育園で集団感染症が発生しました。1歳児、2歳児、3歳児のクラス約80名のうち15名に下痢や腹痛の症状が発症したことを受け、保健所が当該保育園の調査を開始しました。その結果、50名弱の園児と職員からO111の陽性反応が出ました。調理室や調理員、保存給食などからは陽性反応はありませんでした。その後の追調査で、新たに二次感染者と見られる園児やその保護者家族、職員からの陽性反応があり、終息に至るまで40日を要しました。発症時期にばらつきがあることから給食などが原因の感染症ではないと考えられました。
福岡の事例では、最初の感染者の腹痛などの諸症状が比較的軽く、そのため発見が遅れ、感染者の登園が続いたことが集団感染を引き起こした要因であるとされました。O111、O157などの腸管出血性大腸菌による感染症は年間3000件以上も発生の報告があり、特に保育園や幼稚園、高齢者介護施設などで相次いでいます。少ない菌でも人から人へ接触・経口感染し、平均3~4日の潜伏期間の後激しい腹痛や水溶性下痢などを発症します。順調であれば1週間ほどで回復しますが、子供や高齢者のように抵抗力の弱い人の中には尿毒症や脳症を合併して、最悪の場合死に至ることもあるので注意が必要です。
こまめに手を洗う、食品はよく加熱する、清潔を保つことなどが予防対策になります。幼児は手を口にもっていきやすいので保育園や幼稚園は注意が必要な環境です。前記の福岡の保育園でもその後手洗いの徹底や子供の排泄物の処理の仕方などで見直しがはかられました。7月から9月にかけては非常に発生の多くなる時期です。家庭でも「菌を付けない・増やさない・殺す」という食中毒予防の三原則に努めて過ごすことが大切です。